本書はASHRAEから出版された湿度調整に焦点をあてた書籍を日本語に翻訳したもので、
基礎・湿度の影響・
システム設計・機器と制御・設備・設計資料の全6編計32章で構成されています。
一般空調における湿度制御に関連した技術テーマを網羅しており、基本的には技術者向けの実用書として作成
されていますが、それだけではなく
学生や保安管理者、建築士など幅広い層のお役に立つようにとの編集方針
で数多の資料に豊富なイラストを添え、わかりやすく解説しています。
一般的に空調設備は温度制御が中心となり、湿度調整を行っていない現状がありますが、
その結果、多くのビルで湿度制御が適切でない為に起こるさまざまな課題が存在しています。
本書では、現在採用されている温度偏重の制御の欠点を具体的に指摘し、範囲を超えた湿度による多様な悪影響
を解説した上で、
それらの悪影響軽減のために「湿度緩和」(Humidity moderation)の考え方の採用が有効であること
を示し、その考え方に立ったシステムを提言しています。
その他 本書には人間の快適度、腐食、静電気、かび、微生物、害虫等に対する湿度の影響の解説や、
13の用途別建物の湿度制御についての具体的なデータが多く記載されています。
設計の実務的資料としては、過去数十年間分の統計処理した世界主要1500都市(日本内は35都市)の気象デー
タが掲載されています。
|