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置換換気(Displacement Ventiration)
                                


 置換換気はもともと溶接工場の作業環境改善を目的として開発され、北欧を中心に20年以上の実績のある換気方式 であり、わき出し換気と呼ばれることもある。置換換気方式では床面から給気し、居住域に温度成層を形成して、汚染質 は上昇気流に乗せて搬送し天井面の排気口から排出する。ピストンフローに近い気流状態となるので、一般の混合換気 方式と比べ換気効率が高く省エネルギーであるので最近注目を集めている。似たシステムに床吹出し方式があるが、 その場合は居住域が混合状態となる点が異なる。置換換気では、居住域に温度成層を形成することが最も重要で、温度 成層を乱さないために給気は低風速かつ室温より低い温度で行う必要がある。一般的に吹出風速は0.5m/s以下で設計 されている。風量は一般の換気と同様に考えればよいが、換気効率を考慮することにより、必要換気量を減ずることが できる。室内発熱による大きな自然対流が発生する場合はその風量に応じた給気をおこなわねばならない。その他、 すきま風・コールドドラフトなどを防ぐために、気密性・断熱性・日射遮蔽等に注意する必要がある。室温より低温で給気 することから、置換換気を空調設備に適用する場合は冷房専用の空調システムとなり、暖房が必要な場合は暖房設備を 別途考慮することになる。また、快感上問題がないように、上下温度勾配に注意しなければならない。


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