最近気になる用語 321
DX(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので、古い内容や当会の専門分野とは無関係の内容もあります。
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アナログにどっぷりと浸かった私にとってデジタルは少々理解し難いものであるが,避けては通れずしかも大変興味
深いものでもある.デジタルに関連するキーワードを挙げるとすれば,VR(仮想現実:Virtual Reality),AR(拡張現実:
Augmented Reality),IoT(モノのインターネット:Internet of Things),AI(人工知能: Artificial Intelligence),5G
(第 5 世代移動通信システム:5th Generation)など様々ある.最近よく耳にする用語としては DX(デジタルトランス
フォーメーション:Digital Transformation)がある.今回はこの DX について取り上げてみたい.
Digital Transformation の略語は何故 DT ではなく DX なのか? それは,接頭辞の“Trans”は省略される際に“X”
とする場合が多いので,DX と略されているとのことである.
DX とはどのような定義になるのだろうか? 2004 年スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授は
その概念を次のように提唱している.「IT の浸透が,人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」
一方,2018 年 12 月に経済産業省がまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX
推進ガイドライン)」では,より具体的に定義している.そこでは,「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し,デー
タとデジタル技術を活用して,顧客や社会のニーズを基に,製品やサービス,ビジネスモデルを変革するとともに,業
務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土を変革し,競争上の優位性を確立すること」とされている.詳しくは
経済産業省の下記ホームページをご覧いただきたい.
経済産業省:デジタル・トランスフォーメーション(DX)https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html
DXは,単なるAI や IoT などのデジタル技術の活用に止まるのではなく,“変革”していくことを意味する.その変革
の対象は,製品,サービスやビジネモデルはもちろんのこと,“業務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土”ま
で,と述べていることは大変重要な視点ではないかと思う.
なお,DX に取り組む理由の一つとして,【2025 年の崖】がある.DX 推進ガイドライン策定に先がけ 2018 年に経済
産業省がまとめた報告書「DXレポート ~ IT システム『2025 年の崖』の克服と DX の本格的な展開~」では,多くの
企業において,既存の IT システムの老朽化,ブラックボックス化が起きているとの指摘がある.
デジタル化の変化は速く,しかもその影響は一国のある地域に限定されず,いまや世界各国にほぼ同時期に影響する.
また,ユーザーの価値観は【もの】だけではなく,その【もの】に付帯するサービスや質などへと多様化しており,そ
の膨大な顧客ニーズに的確に応えられるような組織体質への改革も要求されている.そのためにも,DX の取り組みは
一過性の流行ではなく,継続的に存続していくことが必要不可欠であると感じている.
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