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バーチャル・リアリティー(VR) 
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので、古い内容や当会の専門分野とは無関係の内容もあります。
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近年,「バーチャル・リアリティー(VR)」に関する記事やニュースを目にする機会が増えている.「VR」という言葉 自体は1990 年代前後に生まれていたが,当時はパソコンや携帯電話などもまだまだ普及しているとは言えない時代で あったため,開発段階の「VR」が浸透することはなかった.しかし2000 年代に入って,スマートフォンをはじめとす る携帯端末が普及し,また「VR」の体験に必要なコンピュータハードウェアの一種であるヘッドマウントディスプレイ の開発,販売が進み,現在では「VR」を用いたゲーム,動画が次々と提供されるようになり,認知度は高くなった.今 回の気になる用語では「VR」の意味や仕組みについて紹介する.

VR とは「Virtual Reality」の略で,「人工現実感」や「仮想現実※」と訳され,人間の感覚器官に働きかけ,現実では ないが実質的に現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術の総称である.「表面的には現実ではないが,本質 的には現実」という意味が含まれ,VR によって「限りなく実体験に近い体験が得られる」ということを示す.VR を通 して得られるリアルな体験が,あたかも現実であるかのように感じられる.
VR によって仮想空間を体験できる仕組みは,主にヘッドセット と呼ばれるゴーグル(メガネのレンズにあたる部分がディスプレイ になっている)をかけ,顔の向きに合わせて映像を表示する(変化 させる)技術がベースになっている.映像の立体視は,ディスプレ イの液晶を右目と左目に区切って映像を分けることで実現した.
左右のレンズ配置もそれぞれの映像が見やすいようになっている など,VR の世界に浸るための工夫が至るところに施されている.
また,多くのVR ヘッドセットにレンズのピント調整機能が備 わっており,高い没入感を得られるようになっている.
VR ゴーグルを装着すると,視界の360 °が覆われ,限りなく現実 に近い世界に没入する感覚が得られる.また,近年提供されている VR コンテンツは,リモコン操作によって自分の動きがVR 映像内 に反映されるため,よりリアルな体験が得られるようになり,特に,ゲームや音楽のライブなど,エンターテインメン トの世界が他分野に先行して多くのコンテンツを提供している.ゲーム以外の分野においても,どこにいても教室と同 じ授業が受けられる教育関連,遠隔地から手術や治療を支援する医療や介護,現地に行かなくても体感できる観光や住 宅販売など,様々な分野での利用が広がっており,VR の需要は今後も非常に高いと言えそうである.
※日本語では「仮想現実」という語が定着しているが,「仮想」には「仮に想定した」「偽の」「実際には存在しない」といったニュアンス がある一方,“virtual”は「名目上は異なるが実質的には同じである」という意味であり,訳語として不適切であるとする指摘もある.
参考資料
1)エレコム㈱公式ホームページ https://www.elecom.co.jp/pickup/column/vr_column/00001/
2)Wikipedia バーチャル・リアリティ https://ja.wikipedia.org/wiki/ バーチャル・リアリティ

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