最近気になる用語 303
バーチャルパワープラント(VPP)/デマンドレスポンス(DR)
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので、古い内容や当会の専門分野とは無関係の内容もあります。
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バーチャルパワープラント(仮想発電所,VPP:Virtual Power Plant)とは,太陽光発電,風力などの再生可能エネ
ルギーや蓄電池,電気自動車,ネガワット(節電した電力)などの分散型エネルギーリソースを,IoT(もののインター
ネット)を活用した高度なエネルギーマネジメント手法により,一括して遠方から統合制御して,あたかもひとつの発
電所のように機能させる仕組みのことである.一般に電力は「貯蔵ができない」という性質のため,常に需要と供給の
バランスをとりながら,電力の品質である電圧・周波数を一定にして電力系統を安定化させる必要がある.従来,電力
の需給バランスは,火力や水力などの大型発電機の出力調整により行われてきた.しかし,ここ近年の太陽光発電など
の拡大にともない,分散型エネルギーリソースを活用したVPP が期待されている.
デマンドレスポンス(DR:Demand Response)とは,需要家側のエネルギーリソースを制御して,電力の需給パター
ンを変化させることであり,需要制御のパターンによって,需要を抑制する「下げDR」と需要を増やす「上げDR」に
区分される.
需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し,VPP やDR からエネルギーサービスを提供
する事業者のことを,リソースアグリゲーター,アグリゲーションコーディネーターという.ちなみに「アグリゲート:
aggregate」とは「束ねる」という意味を持ち,アグリゲーターは文字どおり「電力の束ね役」である.
需要制御の方法は,①電気料金型(電気料金設定により電力需要を制御する)と,②インセンティブ型(電力会社や
アグリゲーターと需要家が契約を結び,需要家が要請に応じて電力需要抑制などをする)の二つに区分される.特にイ
ンセンティブ型の下げDR は「ネガワット取引」と呼ばれる.
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