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バーチャルパワープラント(VPP)/デマンドレスポンス(DR) 
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
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 バーチャルパワープラント(仮想発電所,VPP:Virtual Power Plant)とは,太陽光発電,風力などの再生可能エネ ルギーや蓄電池,電気自動車,ネガワット(節電した電力)などの分散型エネルギーリソースを,IoT(もののインター ネット)を活用した高度なエネルギーマネジメント手法により,一括して遠方から統合制御して,あたかもひとつの発 電所のように機能させる仕組みのことである.一般に電力は「貯蔵ができない」という性質のため,常に需要と供給の バランスをとりながら,電力の品質である電圧・周波数を一定にして電力系統を安定化させる必要がある.従来,電力 の需給バランスは,火力や水力などの大型発電機の出力調整により行われてきた.しかし,ここ近年の太陽光発電など の拡大にともない,分散型エネルギーリソースを活用したVPP が期待されている.
 デマンドレスポンス(DR:Demand Response)とは,需要家側のエネルギーリソースを制御して,電力の需給パター ンを変化させることであり,需要制御のパターンによって,需要を抑制する「下げDR」と需要を増やす「上げDR」に 区分される. 需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し,VPP やDR からエネルギーサービスを提供 する事業者のことを,リソースアグリゲーター,アグリゲーションコーディネーターという.ちなみに「アグリゲート: aggregate」とは「束ねる」という意味を持ち,アグリゲーターは文字どおり「電力の束ね役」である.
 需要制御の方法は,①電気料金型(電気料金設定により電力需要を制御する)と,②インセンティブ型(電力会社や アグリゲーターと需要家が契約を結び,需要家が要請に応じて電力需要抑制などをする)の二つに区分される.特にイ ンセンティブ型の下げDR は「ネガワット取引」と呼ばれる.

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