最近気になる用語 287
スポーツクライミング
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。 |
「スポーツクライミング」は,2016(平成28)年8 月,東京オリンピックの追加種目として国際オリンピック委員会から
正式に発表された競技である.最近では各種メディアで取り上げられる機会も多く,「スポーツクライミング」という名
を一度は耳にした方も多いと思うが,どのような競技かイメージできる方は少ないと考える.私も「スポーツクライミ
ング」というものをイメージできなかったため調べてみたところ,「フリークライミングが時代ともに進化していくなか
で,競技者の安全を確保しつつ競技性・スポーツ性が強調されルール化された新しいジャンルであり,ボルダリング,
リード,スピードという3 種目のクライミングで競うスポーツ」と定義されているようだ.
ここで,「スポーツクライミング」の3 つの競技種目について簡単に説明すると以下のとおりである.
① ボルダリング:5 m 以下の高さの壁を用い,競技者はロープを使用せず壁面にあるホールドを使用し,決められたコースを制限時間内にいくつ完登できたかを競う.
② リード:12 m 以上の高さの壁を用い,競技者はロープのつながったハーネスという器具を装着し,途中の支点にロープをかけながら時間内にどこまで登れるかを競う.
③ スピード:高さ15 m の壁を用い,競技者は安全装置用のロープを装着し,同一のコースを2 名同時に隣り合って登り,いかに速くゴールまで到達するかを競う.
「スポーツクライミング」の歴史はまだ新しく,1940(昭和15)年代後半から1980(昭和55)年にかけて,当時のソビエ
ト連邦が自然の岩場でスピード種目の競技会を開催したことが始まりとされる.その後ヨーロッパで盛んに行われるよ
うになり,国際的な規模の大会となるワールドカップが1989(平成元)年に,世界選手権が1991(平成3)年に初めて開催
された.日本人選手はワールドカップ開催当初より活躍しており,国別ランキングではチームとして常に上位を保ち,ボ
ルダリングでは過去2 回にわたり国別ランキング1 位を獲得している.そのため,東京オリンピックではメダル獲得の
期待がかかる種目と見られている.日本国内ではまだまだ知名度は低いが,それでも近年急激に競技人口と専用の競技
設備が増加してきており,現在の競技人口は推定60 万人,専用の競技設備は10 年前の4 倍以上ともいわれている.
今後,一大ブームに発展しそうな盛り上がりを見せている「スポーツクライミング」,東京オリンピックまではまだ時
間があるので,この機会に一度ルールについて勉強してみてはいかがだろうか.
参考資料
https://tokyo2020.jp/jp/games/sport/olympic/sport-climbing/ :(2017).
http://yamahack.com/471 :(2017).
http://www.spot.town/news/sportsclimbing_rule :(2017).
|
「最近気になる用語」
学会誌「冷凍」への掲載巻号
一覧表
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。