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 データセンター 
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
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 データセンターは,インターネット用のサーバーやデータ通信,固定・携帯電話などの装置を設置・運用することに 特化した施設の総称であり,内部コンピュータでは,銀行入出金処理,チケット予約,電子メールなどの情報処理から, 工業製品設計など多量のデータ分析が行われている.近年,設置効率,利用効率,冷却効率などの運用効率改善を目的 に大規模化する傾向にあり,大規模データセンターは年10 %以上の成長が見込まれている1).
 データセンターはサービスの種類により,顧客がサーバーを管理するビル型と,事業者が管理するモジュール型に分 類でき,一般にビル型は都市部に,モジュール型は郊外に設置される.
 ビル型の空調設備は二重床吹出しによる冷却方式が主流で,冷凍機器はビル免震対策による水配管損傷リスクの低 減,サーバー高密度化による熱負荷増加などによりターボ冷凍機が主流であるが,近年,契約件数ごとに分散投資でき る空冷モジュールチラーが過剰投資を防ぐ利点から評価されている.
 モジュール型は,サーバーラック,分電盤,消火設備など必要機能をパッケージ化したもので,必要時に必要数を増 設可能である.ビル建築が不要でエネルギー効率が良いことによるイニシャルと運用コストの抑制から,米国最大手IT 企業が採用し2005 年頃から急成長している.国内でも2011 年3 月に建築基準法が緩和され,徐々に普及している.
 データセンターの省電力化推進団体グリーングリッドによると,データセンターにおける電力消費の45 %は空調関係 が占めており,この省エネ化が重要課題である2).2008 年,データセンターの温湿度条件が緩和され(ASHRAE 技術 委員会TC9.9),寒冷地外気で年間フリークーリングするデータセンターが欧米を中心に増加している.国内でも2011 年に外気冷却で年間空調エネルギー約80 %削減するデータセンターが石狩市に竣工された(図1)3).
 欧州,北米では外気冷房が可能なエリアが広く存在し,国際ネットワーク間の通信速度も高速化しており,金融取引 などの特殊用途を除けば,ネットワーク環境の整った寒冷地に大規模データセンターが建設されると考えられる.ただ し各国の法律,規制により事業環境が変わるので,継続監視する必要がある.
 図1 外気導入データセンター(さくらインターネット石狩データセンター)
 出典
 1)総務省ホームページ:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc112240.html
 2)the green grid:「エネルギー効率のよいデータセンタのガイドライン」.
 3)石狩データセンターホームページ:http://ishikari.sakura.ad.jp/
 エレクトロヒート,(196),(2014).

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