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  パリ協定(COP21)  
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
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 昨年12 月,フランスで開かれた地球温暖化対策の国連の会議COP21 は,京都議定書 以来18 年ぶりとなる新たな枠 組み「パリ協定」を採択した.発展途上国を含むすべての国が協調して温室効果ガス の削減に取り組む初めての枠組み となり,世界の温暖化対策は歴史的な転換点を迎えた.その中で気になる<合意内容 >と<課題>について概説する.
 <合意内容> 「パリ協定」は法的拘束力を持つ地球温暖化対策の新たな枠組みで,2020 年以降は 先進国と発展途上国,すべての国 が協調して温室効果ガスの削減に取り組むことになる.
 この中で,世界全体の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5 ℃に抑えるよう努力す るとし,世界全体の温室効果ガ スの排出量をできるだけ早く減少に転じさせて,今世紀後半には実質的にゼロにする よう削減に取り組むとしている. そして,この長期目標を達成するために途上国も含めすべての国が5 年ごとに温室効 果ガスの削減目標を国連に提出し, 対策を進めることが義務づけられた.
 <課題> NHK オンラインニュースによると,「今や世界全体の温室効果ガスの排出量の6 割以 上を占める途上国も排出削減を 行うことで,世界全体の取り組みの強化につながることが期待されている.ただ,京 都議定書を離脱したアメリカや, 世界最大の排出国,中国が参加できる枠組みを目指したことで目標の達成は義務づけ られず,達成できなかったときの 罰則規定もないため,削減目標を提出するごとに改善する規定や5 年ごとに行う検証 などを通じて実効性を持たせるこ とができるかが課題となる」という報道がなされた.
 したがって,今後は,発展途上国を含めた世界全体で温室効果ガスの削減について真 摯な取り組みが重要になると考 える.CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収/貯留)などの温 室効果ガス削減に寄与するさまざま な日本の技術を世界中に広めていかなければならない時期に来たと考える.
 
 参考資料:NHK NEWS web 2015 年12 月14 日
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151213/k10010339621000.html

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