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  HEMS(Home Energy Management System)  
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
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 HEMS は,ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの頭文字であり,「ヘムス」と呼ばれている.人に代わりIT 技術を活用し,家庭内で使用する機器などの最適運転やエネルギーの使用状況をリアルタイムで表示できるエネルギー 管理支援システムである.空調や給湯,照明など増え続ける家庭内のエネルギー消費に着目して,HEMS と高効率機器 を連携させ,快適さを維持しながら日常生活における家全体のエネルギー消費を最小化する技術として注目されている.
 家の中では様々な家電製品が使われているが,HEMS の普及にはこれらの機器と情報をやりとりすることのできる統 一した通信規格が必要となる.そこで,策定されたのが「ECHONET Lite(エコーネットライト)」という家電向けの 通信規格である.対応する家電はまだ多いとはいえないが,エアコンやエコキュート,LED 照明,蓄電池,太陽光発電 システムなどをHEMS と接続することで,機器の制御や状態監視を行うことができる.また,ホームゲートウェイを介 してインターネット経由でクラウドサービスに接続することで,遠隔からスマートフォンなどを使って機器を停止させ たり,電力消費量を確認することも可能である.
 導入されている家庭はまだまだ少ないが,国のエネルギー政策としても2020 年までに「標準的な新築住宅でネット・ ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を実現」,さらに2030 年までには「HEMS を全世帯に設置」の目標設定がされている. 政府のHEMS 普及支援策やスマートメーターの普及,家庭向け電力小売事業の自由化などの環境変化を追い風に, HEMS の低価格化や魅力あるビジネスモデルが実現すれば急速に導入が進む可能性もある.今後の展開としては,省エ ネに加えてホームセキュリティやホームヘルスケアなども考えられており,HEMS を活用した通信ネットワークを通し て低炭素化社会,安心・安全な社会,バリアフリー社会の実現につながることを期待したい.

 
 出典
 平成24 年「グリーン政策大綱」,内閣官房国家戦略室.

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