最近気になる用語 233
 統計学  
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容もあります。
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  「統計学」が注目されている.書店には入門・解説書が並び,大学での公開講座には多くの参加者が集まると聞いている. また,米IT 社著名エコノミストの「今後10 年間で最もセクシーな(魅力的な)仕事は統計家である」との発言も あった.これまでも国勢データの分析,経済指標の策定,新薬の実証,製造現場での品質管理,またテレビ視聴率の算 出など,ありとあらゆる領域で統計的手法が用いられてきた.しかし,それは裏方(ツール)としての役割を果たすに過 ぎなかった.IT 環境の急速な進展とともに情報量は膨大となり,いよいよビッグデータ時代の到来となった今,改めて その重要性が見直されているのかもしれない.一方,リアルタイムで駆使されている例として,著者は,2012 年ロンド ンオリンピックで日本の女子バレー監督がタブレット型コンピュータを見ながら(統計手法を用いて,と思われる)作戦 を指示していたのが,強く印象に残っている.
  さて本誌読者の中には,高校時代の確率(統計学の基礎)習得から始まり,職場での実験データ分析などで分散,標 準偏差,相関をほぼ日常的に使用し,報告書,学会発表用には見える(グラフ)化を行い,ツールとして統計にふれてい る方も多数おられるのではないかと思う.統計学,統計手法の定義のいくつかを以下に示すこととする.
  【追記】本用語を調べる上で,日本と米国での教育環境に大きな違いがあることがわかった.日本の大学には,統計学を 専門とし,その名を冠とする学部・学科はなく*,生物や医学,経済,そして理工学などそれぞれで必要な統計学の知識 は,各学部の統計学担当の教官が教える仕組みとした上で,選択科目としていることも多い.一方,米国などでは,数 多くの大学で統計学部・学科が存在し,どの学部であっても必修科目としていることが多いようである.統計学の捉え 方と文化の違いなのだろうか.
  参考資料:ウィキペディア(Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki
 * 統計センター,政府統計の総合窓口による.

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