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F ガス規制
                             


欧州では,京都議定書中のHFC(ハイドロフルオロカーボン),PFC(パーフルオロカーボン),SF6(六フッ化硫黄) をF ガスと呼んでいる(日本では代替フロン等3 ガスと呼ぶ).F ガス規制はこれらのガスを規制するもので,欧州にお いて2006 年6 月に公布,7 月4 日から施行されている.京都議定書の対象であるフッ素化温室効果ガスの放出を防止す ることにより温室効果を低減させることを目的とした規制であるので,冷媒漏れの防止に主眼が置かれている. F ガス規制では,冷媒使用機器に対して定期的な漏れ検査を行うことや,冷媒の市場での流れの追跡調査を行うこと を要求しており,冷媒の回収についても義務化されている.さらに,据付業者や漏れ検査作業員の技能訓練,資格認定 なども要求している(下表).

F ガス規制の現状は,オランダ,ドイツ,UK は対応が進んでいるが,イタリア,スペイン,ギリシャ,ポーランド などはほとんど進展していないようである.
この規制の条項には「見直し」の項があり,2011 年7 月までに改正が必要か調査が行われ,必要とみなされた場合は 改正する提案を出すように定められている.改正案の検討はエコ・リサーチ社が受託した.この受託機関には自然冷媒 派が多いため,検討結果はHFC 冷媒から炭化水素への冷媒転換は容易であるといった規制強化の方向になっているよう である.ただし,EU 委員会の責任者は中立な考えをもっており,受託機関と考えが異なっているようである.EU 委員 会で改正が必要と決まれば,2012 年中に改正案を提出することになっている.HFO1234yf の出現によりなんらかの規制 強化は避けられないとの見方がされており,改正された法が成立するまでの今後2 年程度は目が離せない状況が続く. (参考)カーエアコンについては,Fガス規制とは別に「カーエアコン指令」で下記の規制が行われている.

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