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LED(Light Emitting Diode)照明
                             


  電球形の蛍光ランプが市場に登場したのもつい先日のことのように感じられるが,最近は電球形LED ランプなるも のが家電量販店の店頭を賑わせている.白熱電球に比べて電気代が1/4 ~ 1/5 という省エネ性と,数万時間という飛躍 的長寿命化が訴求点になっている.
 LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)とは,電圧をかけることで光を放つ半導体のことであり,そのLED を光源に用いた照明器具のことをLED 照明という.1993 年,青色発光ダイオードが実用化されたことで一般照明用途 への展開が始まった.LED 照明は,炎(第1 世代),白熱電球(第2 世代),蛍光灯(第3 世代)に続く第4 世代の灯 りといわれている.
 照明用には白色光が必要となるが,LED の光は波長域が非常に狭いので,この単色光を白色に変換する必要がある. 白色光を得る方法は,黄色の蛍光体を混ぜ込んだ透明な樹脂で青色LED をモールドするのが一般的であり,透明な部 分を通過した青い光と,蛍光体を透過した黄色い光の混合によって白い光をつくっている.この方法は,高効率で白色 光が得られる一方,照らされた物体の色の見え方が自然光のそれと異なるという演色性の問題がある.
 電球形LED ランプの発光効率(lm/W)(単位電気入力あたりの明るさ)は,前述のように白熱電球の4 ~ 5 倍であり, 電球形蛍光ランプと比較しても同等程度あるいはそれを上回るものも出回っている.ただし,施設用照明として普及し ている直管形では,Hf(高周波点灯方式)蛍光ランプが依然として最高効率である.LED ランプの省エネ性は,電球 形では蛍光ランプに勝るものもあるが,直管形においてはまだ蛍光ランプがやや優勢,という段階にある.
 LED 照明の課題はまず,高価であること.現在の市場価格では白熱電球よりも2 桁,電球形蛍光ランプより1 桁程 度高い.そしてもうひとつ,外形が大きくて重いということ.これは,発光素子の耐熱温度が低いために,放熱促進用 の大きな表面積確保と熱伝導のよい材料(金属)使用が必要になることに由来している(発光素子自体は極めて小さい). そのほか,前述した演色性や,配光特性にも課題がある.
 LED 照明は市場に出てからまだ日が浅く,今現在も低価格化と小型化,演色性や配光特性の改善が急速に進行して いる.市場規模は今後ますます大きくなっていくだろう.しかしながら,現時点のLED 照明技術は蛍光灯をも駆逐す るほど無条件に優れているというわけでもないようで,用途に見合う照明器具を選定するには光源方式それぞれの長所 短所を最新情報に更新しておく必要がある.
文  献

(社)日本電球工業会ホームページ,http://www.jelma.or.jp/
特定非営利活動法人LED 照明推進協議会ホームページ,http://www.led.or.jp/

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