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エコリーフ環境ラベル
                             


  CO2 排出量増大に伴う地球温暖化が問題となり,環境負荷低減を狙った低消費電力やリサイクル可能な材料を用いた 製品が数多く登場している.
しかし,環境に与える本当の影響は製品のライフサイクルステージのすべてを評価する必要がある. そのため,製品の全ライフサイクルステージを通じた環境負荷を定量的に評価し,その結果を広く消費者に 開示することにより,図に示すように企業と消費者の間に良好なコミュニケーションを醸成することを目的として, エコリーフ環境ラベルが制定された.この環境ラベルは,ISO(国際化標準機構)で制定されている環境ラベルで, タイプⅠ,Ⅱ,Ⅲの3 種類に分類される.
タイプⅠは運営機関が基準値に対して合否を判定,タイプⅡは事業者が市場に対して独自に環境改善度を主張するものである. エコリーフ環境ラベルが位置づけられているタイプⅢは,第3 者認証機関の元で製品の資源採取から廃棄・リサイクル されるまでの製品の一生において,LCA※手法を用いて製品の一生で発生する環境負荷を定量的に分析し, その情報を開示するもので,評価は受け手側に委ねている.開示された情報の客観性・比較可能性を確保するため, 製品分類基準に基づいて製品分類ごとに対象範囲,データ収集要件,LCA 計算条件などを定めている.
 開示されるデータは,
製品データシート(PDS : Product Data Sheet),
製品環境情報開示シート(PEIDS : Product Environmental Information Data Sheet),
製品環境情報(PEAD : Product Environmental Aspect Declaration)
の3 種類である.
PDS は環境からの資源採取や環境への排出などのLCA に必要な入力データシート, PEIDS はPDS データをLCA で分析したイベントリー/インパクトデータ, PEAD はPDS,PEIDS のポイントとなるデータと製品概要を記載したものである. 運営母体である6産業環境管理協会(JEMAI)の定めた試験・研修を修了した検証員による外部検証・判定, もしくはシステム認定を得た事業者による内部検証が完了し,適合したものが登録・公開が可能となる.

※ LCA :ライフサイクルアセスメントの略.
資源採取から製造・組立,物流,使用,廃棄,リサイクルにいたる 全ライフサイクルステージを通しての環境側面と潜在的環境影響を規定した方法に従って分析・評価する.
 
文 献:6産業環境管理協会ホームページ

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