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SCADA
                             


 SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)とは,「監視制御とデータ収集」を意味する中央監視制御システ ムの一つで“スキャダ”と呼ばれている.これまでの中央監視は,専用メーカーへの依存度が高く閉鎖的な傾向にあっ たが,最近は通信技術の向上からビル管理をオープンネットワークで構築されたシステムで行うことが多くなってきて いる.SCADA もその一つで,各機器の制御・測定はローカルに配置されたPLC(Programmable Logic Controller)など で行い,中央監視は汎用のPC と汎用のソフトを使い,PLC などの制御値の設定変更および測定値の収集を行うように なっている(図1参照).
 たとえば,インバータポンプを圧力制御する場合,中央監視室に設置されたPC で制御値を設定する.その設定値は 通信回線によりローカルのPLC に伝えられ,PLCは圧力センサーからの圧力値が設定値となるようにインバータポンプ の回転数を制御する.圧力値や回転数は,通信回線により中央監視室のPC に伝えられ画面上にリアルタイムに表示さ れると同時にデータとして保存される.さらに,収集したデ ータは自由に加工することができるので,トレンドグラフの 作成や編集,出力が行える.これにより,様々な分析を行い ながら最適な設定を行うことができるようになる.
 このように,各機器の動作制御を中央監視で行わず,ロー カルで行うことにより,通信渋滞やPC 処理の遅延をなくし, 応答性の速いシステムとなるのがSCADAの特長である.
 また,通信回線と汎用のPC を使うのでシステムの多重化 が簡単に行え,信頼性の向上が図れる.特に,最近のIT ネ ットワーク化のおかげで工場と本社といった離れた場所にお いても監視,設定が可能となった.その一方で,通信回線は インターネットを使うのが一般的なので,システムの脆弱性 については課題となっている.
 SCADA はIT 技術の進歩に伴って発展してきた技術であ り,そのための汎用ソフトも多く発売されている.今後は省 エネ診断などの様々な機能を盛り込みながら,さらなる普及 が見込まれる.

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