最近気になる用語 159
CASBEE 建築物総合環境性能評価システム
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
CASBEE
(Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency
:建築物総合環境性能評価システム)は,建築物を環境性能で評価し格付けする手法である.
省エネや省資源・リサイクル性能といった環境側面はもとより,室内の快適性や景観への配慮と
いった環境品質・性能の向上といった側面も含めた,建築物の環境性能を総合的に評価するシステムである.
2001 年から国土交通省の主導のもとに,産・官・学共同プロジェクトとして開発されてきた.
この評価システムでは,建築物の環境負荷L(Load),環境品質・性能Q(Quality)の概念に基づいて,
建築物の環境性能効率(BEE : Building Environmental Efficiency)という評価指標を次式のように定義している.
建築物の環境性能効率 BEE
=(Q:建築物の環境品質・性能)/(L:建築物の環境負荷)
ランク | 評 価 | BEE値 |
S | Excellent 素晴らしい | BEE = 3.0 以上 |
A | Very Good 大変良い | BEE = 1.5 ~ 3.0 未満 |
B+ | Good 良い | BEE =1.0 以上~ 1.5 未満 |
B- | Fairly Poor やや劣る | BEE = 0.5 以上~ 1.0 未満 |
C | > Poor 劣る | BEE = 0.5 未満 |
この式で,分子の環境品質・性能(Q)が大きいほど,また分母の環境負荷(L)が小さいほど,環境性能効率(BEE)が
大きくなり,環境性能として優れているということになる.
BEE の値によって右記の5 段階に格付けされる.
C A S B E E は,建築物のライフサイクルに対応して,
CASBEE -企画,CASBEE -新築,CASBEE -既存,CASBEE -改修の4 つの基本評価ツール
(評価項目と評点を列挙した評価シート)により構成され,設計の各段階で活用されることを想定している.
さらに,CASBEE - HI(ヒートアイランド),CASBEE -まちづくり,CASBEE -すまい(戸建),
自治体版CASBEE などの個別目的に応じた拡張ツールも用意されていて,「CASBEE ファミリー」を構成している.
自治体版CASBEE は,各地域の気象条件や重点施策など,地域事情に合わせて使用することができ,
建築確認申請時に行政への届けを義務付けるなど地方自治体の建築行政にも利用され始めている.
今後,地球温暖化対策等の環境問題への関心がますます高まり,環境性能で建物の価値が
評価され始めるなかで,CASBEE を活用することで,より環境性能の高いサステナブル建築の開発・普及が期待されている.
「最近気になる用語」
学会誌「冷凍」への掲載巻号一覧表