10.  PFC(=Perfluorocarbon パーフルオロカーボン)   
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。 当時の記事をそのまま掲載していますので、古い内容や当会の専門分野とは無関係の内容もあります。 また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。


  フルオロカーボン(フロン)類に属する化学物質で、炭化水素の水素を全部フッ素で置換したもの(“Per”には「全部」とか「完全に」という意味がある)。
     PFCの例としてパーフルオロメタン(CF4)=R14や、パーフルオロエタン(C2F6)=R116 などがある。
また最近では半導体製造のエッチングのためにも使用される。
     このほかにもパーフルオロカーボンに属する化学物質があるが、上記の2種類は特に大気寿命が長く、地球温暖化係数(GWP)が大きく、
たとえばHFC134aのGWP=1300に対し、CF4のGWPは6500である。
気候変動枠組み条約の第3回会合(京都会議/1997年12月)ではCO2 やHFCとともにPFCも温室効果ガスとして削減の対象に含められた。
   なお、フルオロカーボンの中には冷凍空調でおなじみの冷媒として、大別すると次の3種類がある。
1)CFC(クロロフルオロカーボン=Chlorofluorocarbon):R11,R12,R13,R115など
2)HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン=Hydrochlorofluorocarbon):R22,R123,R124など
3)HFC(ハイドロフルオロカーボン=Hydrofluorocarbon):R32,R134a,R407C,R410Aなど
  
このうち、
1)は化学的にもっとも安定した物質で、オゾン破壊係数(ODP)が大きいので、モントリオール議定書により1996年生産が廃止された。
2)は塩素のほかに水素が含まれているため分解しやすく、大気寿命がCFCよりも短いので、オゾン破壊係数も小さい。
3)は塩素が含まれていないので、オゾン破壊係数はゼロであるが、温暖化係数の大きいものがある。
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