95    衝突噴流冷却   


     連続凍結装置などに応用されている衝突噴流冷却方式とは,冷却気体をノズルを介して噴流とし,被冷却体に噴流状態で衝突させ冷却するものである.この冷却方式は,噴流の以下の熱流体的特徴を利用したものであり,
  1)噴流が高速流であることより伝熱境界膜層が非常に薄いために熱伝導率が高い.
  2)同上の理由により,冷却面と流れとの間に低圧渦が発生し冷却面に付着して流れるために(コアンダ効果),有効冷却面積が増加する.
    したがって,一様流冷却方式に比較して冷却能力が高く5~10倍にもなる.この冷却方式は前述の特徴を活かして,冷凍食品の連続冷凍装置や,ドラフトの感じない空調などに広く応用されている.さらに衝突噴流冷却方式は,比して少風量で所定の冷却量が得られ,ひいては被冷却体の巻き上げが極小であることを利用して,ゴム,プラスチックなどの低温破砕,微粒化装置などの高密閉,省エネルギー冷却装置として応用,実用化されている.