90     ジェネリンク  


     燃料による加熱のほかに,ガスエンジンなどから発生する排熱温水を有効に利用して冷温水を供給する吸収冷温水機は,排熱投入形吸収冷温水機と呼ばれ,「ジェネリンク」の愛称がある.ジェネリンクはコージェネレーションシステムと空調設備とを簡単にしかも効率的にリンクするという意味であり,次のような特長がある.  
  1 省エネルギー  
  吸収冷温水機の燃料消費量が削減され省エネルギーとなる.定格時で10~15%の燃料消費量が削減される.
   2 イニシャルコストの低減  
  温水吸収冷凍機が不要となるために,温水吸収冷凍機およびその周辺機器が不要となり,イニシャルコストの低減と省スペースがはかれる.  
  3 省スペース  
  排熱温水系統の制御(温水制御弁,センサー含む)まで含んでいるので,設計施工が容易で省スペースにもなる.
   4 安定した冷房能力  
  排熱温水系統が変動しても効率が変わるだけで,燃料によるバックアップ運転が自動的になされるために,安定した冷房能力を提供できる.
   図1に従来システムとの比較の例を示す.温水吸収冷凍機の代わりに排熱回収用の熱交換器が取付けられている.
   図2に冷房サイクルフロー図を示す.溶液配管に取付けられた排熱回収用熱交換器により排熱を回収し,燃料を削減する.排熱回収用熱交換器の排熱温水系統には制御弁が取りつけてあり,最適な制御を行う.図3に冷凍機の外観を示す.


図1 従来システムとの比較

図2 冷房サイクルフロー図

図3 外観