78 フリークーリング(Free Cooling)
夏期は冷凍機用冷却水の放熱に利用している冷却塔を用いて,
中間期・冬期に直接冷水を製造しようとするシステムのことである.
冷凍機を稼働せずに冷却できるので,条件が合致すれば大きな省エネルギー効果を期待できる.
当然,冷水温度は外気状態に左右されるので,年間を通し冷却負荷があり,
比較的高い温度で冷却可能な用途で採用される.
過去に電算用途のビルなどで試みられたが,
冷凍機と同程度の冷水(5~10 ℃)を取り出すことには無理があり,採用例は少なかった.
近年,生産施設においては生産装置冷却用に15~25 ℃程度の冷却水が多量に用いられる例が多く,
それらの施設で採用され大きな省エネルギー効果をあげている.
冷却塔の形式は,開放式を用いフリークーリング時は熱交換器を介して供給する方法と,
密閉式を用い直接供給する方法があるが,開放式の冷却塔を用いている場合が多い.
システム例を図1に,冷却塔の特性を図2に示す.図2では冷凍機との比較がわかりやすいように
,100RTの機種に対しフリークーリング時の水量を1 000L/minとしている.
図1 フリークーリングの配管例
図2 冷却塔の特性例(㈱荏原シンワ資料を基に作成)
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