76    プラズマ脱臭



  最近の空気清浄機では,活性炭やフィルタ-での脱臭に加えてプラズマによる脱臭技術が適用されているため,プラズマ脱臭の概要を紹介する.  プラズマとは高圧放電によって気体が電離した状態をいい,物質は原子(原子核+電子)で構成されているがバラバラにされる.実際には電子,イオン,ラジカルが混在.
  このラジカルとは,学術的には不対電子を持つものであり,反応性に富み,有害ガスを分解する.
    ラジカルによる臭気ガスの反応(アセトアルデヒドの例)  
アセトアルデヒドがラジカルの反応により完全に分解された場合では,炭酸ガスと水に分解される     酸素ラジカル(O.)による酸化分解     
 CH3CHO + 5O. → CO2 + H2O    
 水酸基ラジカル(OH.)による酸化分解     
 CH3CHO + 10  OH. → 2CO2+ 7H2O  
    プラズマ脱臭の概略構成  
放電電極と対向電極で構成されるプラズマ発生部において,コロナ放電によりプラズマ状態をつくり,そこで発生した反応性に富んだラジカルによって臭気ガスを分解.ラジカルは短時間で消滅し気中だけでは十分な脱臭が得られないため,それを補うために後流側に活性炭などで構成されるフィルターを配置,いったん臭気物質を吸着させておき,ラジカルに反応させて分解する.
    脱臭できる臭いの種類  
・だばこ臭(アセトアルデヒド) ・建材臭(ホルムアルデヒド)  
・トイレ・ペット(アンモニア) ・排気ガス(NOx)  
・体臭(メルカブタン)