冷凍機の能力を表す場合に、冷凍トンという単位を用いることがある。
1冷凍トンとは1日(24時間)にい1トンの0℃の水を氷にするために除去すべき熱量のことである。
これには日本冷凍トンとアメリカ(米国)冷凍トンがある。
日本冷凍トン:
1JRT=(1000kg×79.68kcal/kg)/24h=3320kcal/h=3.86kW
アメリカ(米国)冷凍トン:
1USRT=(2000lb×144BTU/lb)/24h=12000BTU/h=3024kcal/h=3.52kW
ここで、水の凝固の際の潜熱は、79.68kcal/kg(144BTU/lb)
1kcal=3.968BTU,1kW=860kcal/h
(BTU:British Thermal Unit(英国熱量単位),lb:重量ポンド)
日本冷凍トンの場合には重量の定義をトン(キログラムトン)としているが、米国冷凍トンの
場合にはトン(米トン)としているためで、用いる単位系の違いによって差が生じている。
1キログラムトン(=メートルトンともいう:metric ton)
=1000kg
1米トン(short ton)=2000lb=907.2kg
このように、「トン」という単位はもともと重量を表すものだが、
冷凍関係の分野では「冷凍トン」をはじめとして、以下のようなさまざまな「トン」が
用いられている。
「機器の重量」を表す場合,
「実際の冷凍能力」を表す場合,
法令などの基準となる「
法定冷凍トン 」を表す場合 など。
これらは、漁船をはじめ船舶の大きさを測る場合に用いられる単位の
「トン(たとえば総トン、載荷トンなど)」と同様に、表す量によって「トン」について異なる
定義をして使い分けられているのと同様であるといえる。