66. PMVとPPD指標 学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。 当時の記事をそのまま掲載していますので、古い内容や当会の専門分野とは無関係の内容もあります。 また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。 デンマーク工科大学のファンガー(P.0.Fanger)教授が、1967年に快適方程式の 導出を発表し、これを出発点として人体の熱負荷と人間の温冷感を結びつけた温熱環境 評価指数PMV(Predicted Mean Vote,予測温冷感申告)およびPPD(Predicted Percentage of Dissatisfied,予測不快者率(その温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合)) の提案をしている。これらには多少議論もあるが、ISO7730(1994)ともなっている。 人体の熱的快適感に影響する要素は、6つあるが、室温,平均放射温度,相対湿度,平均 風速の4つの物理的要素と2つの人間側の要素である在室者の着衣量と作業量が関係する。 これらの要素に関して、その複合効果をどのように評価するかについての理論である。 快適方程式に、この6つの要素を代入すると、人間がその時暖かいと感じるか、寒いと 感じるかを「7段階評価尺度による数値」で表している。 PPDは、人間がある暑い寒いの状態の時に何%の人がその環境に不満足かを表すのに 用いられる。 なお、この指標は、オフィスなど通常人が居住する比較的快適温度範囲に近い温熱環境を 評価するのに適している。 PMVが-2から+2の範囲内の温熱環境評価に用いるのがよい。ISOの標準では、PMVが±0.5以内、 不快者率10%以下となるような温熱環境を推奨している。 (参考文献:図解空調・給排水の大百科 空気調和・衛生工学学会編)
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