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希土類磁石
                                

  希土類とは、スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジウム(Pr), ネオジウム(Nb),プロメチウム(Pm),サマリウム(Sm),ユーロビウム(Eu),ガドリウム(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(Dy), ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ウチウム(Lu)
の17元素のことで、これらの元素の中には、いろいろな金属を添加すると優れた磁気特性をもつものがある。
これが希土類磁石と呼ばれるもので、一般に利用されているのは、サマリウム・コバルト系磁石とネオジウム・鉄・ボロン系 磁石の2種類である。
 希土類磁石は、希土類元素の持つ強力な磁気異方性を生かしているため、磁気エネルギーが大きいという特徴がある。
磁気異方性とは磁化しやすい方向を持っているということで、この方向に着磁すれば、強力な磁石を作ることができる。
 磁束密度(吸引力)と保磁力(磁力を安定に保ちつづける)およびこれらの積の最大値(最大エネルギー積)が大きい 磁石ほど強力な磁石であり、ネオジウム・鉄・ボロン系磁石は最も強力である。
 磁石の用途としては、モータ、発電機、音響機器、アクチュエータ、磁気センサなどがあるが、最近エアコン用コンプレッサの DCモータとして、フェライト磁石に代わって、希土類磁石も使用されてきている。DCモータは、ロータ(回転子)内部に 永久磁石を埋め込み、磁石のトルクを利用し、ロータを回転させる方式であり、強磁性の希土類磁石を用いることにより、 モータの小型化、高効率化を計ることが可能である。