気になる用語 16.  
 
COサイクル


 CO2を冷媒とした冷凍機が最初に現れたのは1860年代、蒸気圧縮式でも 1870年代のことであるが、アンモニア冷凍機とフロン冷凍機の出現によりその存在意義は薄い ものとなった。しかし、1990年代に入るとオゾン層保護、地球温暖化防止の観点からヨーロッパ を中心に、アンモニア、炭化水素(プロパン、ブタンなど)、炭素ガス(CO2)、空気、水などの 自然冷媒への関心が高まり、CO2を用いた冷凍空調機も見直され始め、カーエアコン, ヒートポンプ 給湯などへの応用も検討されている。
  また、冷媒として、アンモニアやプロパンを用いた冷凍装置の蒸発器と熱交換し、CO2冷媒により 熱搬送するシステムの検討も行なわれている。
  CO2は毒性、可燃性、腐食性がないという利点があるが、サイクルとしては、臨界点が約31℃と 低く、臨界圧力が約7.5MPaと高いため、圧力が非常に高く、高圧側が超臨界圧となる凝縮現象のない 遷臨界サイクルとなる。
  高圧冷媒であるため、圧縮機、熱交換器、配管などの設計変更が必要となるが、圧縮機1回転当りの 冷媒循環量(体積流量)が少ないことから、圧縮機の圧縮部の小型化、熱交換器の細径化による 機器の小型化の可能性がある。圧縮比も小さくなることから、圧縮機の効率向上の可能性もある。 また、高圧側の放熱過程では、温度グライドが大きくなるため、対向流による熱交換率の向上も期待されている。