100   SI住宅  


     SI住宅のSIとは,スケルトン(S),インフィル(I)の略で,建物の構造体および設備共用部分を(S),建物内部の内装および設備部分を(I)と称し,(S)と(I)を分離して考える住宅の方式である.  
  一般に集合住宅などでは,躯体(S:スケルトン)が高耐久性であるのに対し,内装および設備(I:インフィル)は20~30年で陳腐化・老朽化してしまう.そこで,あらかじめ躯体部分(S)と,内装および設備部分(I)を分離しやすくしておけば,改修などがやりやすくなる.  
  具体的には床を2重床とし,水廻り(設備)の移動をできるようにしたり,排水立管を住居外のユーテリィティスペースに通すなどの工夫がなされ,各戸単位での改修を可能としている.  
  これにより,住む人のライフスタイルに合わせたプランニングが可能となり,ひいては建物全体が長寿命化し,社会的にも良質な資産が築き上げられることにもなる.  
  このような背景から,都市公団(旧住宅都市整備公団)でも公団型SI住宅(KSI住宅)と称し取り組みを進めているとともに,民間大手デベロッパーでも近年この考えを踏襲したマンション建築の事例も増え始めている.