(a)ダクトは、内部風速と静圧により低速ダクトと高速ダクトに分類され、
そのダクトに用いられる板圧は、ダクトの周長により規定している。
一般に風速15m/s以下、静圧490Pa以下のダクトを低圧ダクトと呼んでいる。
ダクト内の風速から低圧ダクトを低速ダクト、高圧ダクトを高速ダク
トと呼ぶこともある。
低圧ダクトの場合、給気ダクト内の単位摩擦損失Rや風速Vは、騒音防止、
省エネルギー、経済性などを考慮して、直径又は相当直径が1000mm程度
まではR=1.0~2.0Pa/m、それ以上の場合はV≦13.0m/sとする。下表に
ダクト呼称と圧力範囲を示す。
ダクト呼称と圧力範囲
圧力分類によるダクト呼称 | 圧力範囲 | 流速範囲 (m/s) | 常用圧力(Pa) | 制限圧力(Pa) |
低圧ダクト | +490 -490 |
+980以下 -735以下 |
15以下 |
高圧1ダクト | -490を超え+980以下 -490を超え-980以下 |
+1470以下 -1470以下 |
20以下 |
高圧2ダクト | -980を超え+2450以下 -980を超え-1960以下 |
+2940以下 -2450以下 |
20以下 |
注1)常用圧力:通常運転の最大のダクト内の静圧をいう。
2)制限圧力:ダクト内のダンパの急閉などにより、
一時的に圧力が上昇する場合の制限圧力をいう。
圧力内ならばダクトの安全強度や空気漏れ量などは保持されている
ものとする。
3)高圧1ダクト・高圧2ダクトを排煙用ダクトに用いる場合の
流速上限は、25m/s程度とする。
(d)スパイラルダクトは、帯状の鉄板を螺旋状に甲はぜで機械巻したもので、
強度はあるが気密性が高い。
円形ダクトは、鉄板を丸めて製作するが、スパイラルダクトが普及した現
在では余り用いられていない。スパイラルダクトは径75~400mmの間は
25mm、径400~1000mm間は、50mm刻みの寸法で製作されている。