最近気になる用語 47 遺伝子組換え組織 (GMO:Genetically Modified Organism)(1) |
(1)遺伝子の仕組み (図1参照)
生物の体は細胞の集りから成り、その一つ一つの細胞の中に核があり、その 中にDNA(デオキシリボ核酸)という物質が折りたたまれ、ぎゅっと詰まっ た染色体が入って、ここに遺伝子(genes)が存在する。これからひき伸ばし たDNAは、はしごをねじらせた螺旋状の構造で、たて棒が糖都リン酸の2本の 長鎖で、横木の部分が2個の塩基でできている。遺伝情報(Genetic profile)は この塩基部分にあって、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G) の4種類の塩基で、必ずAとT、GとCの組合せになっている。 タンパク質はアミノ酸がつながった分子で、塩基配列により次々につながって タンパク質ができる。即ち種を越えた遺伝子組換えが可能なのはそのためである。 染色体の一揃いをゲノム(Genome)というが、「ヒトゲノム」には約30億対、 60億個の塩基がある。一方、遺伝子は10万個程度なので、一つの遺伝子に 数百~数万個の塩基が含まれている。即ち、塩基配列を全て解析し遺伝子機能を 解明しようというのが「ヒトゲノム計画」で、塩基配列については2001年までに 解明されるようだが、どこにどんな機能の遺伝子があるかの解明には まだまだ時間がかかるとされている。 | 図1 細胞からDNAまで |
(3)食品への応用例
①医薬品(インターフェロン、B型肝炎ワクチン、インスリン、エリスロポエチン(貧血治療薬)、ヘルペスワクチン(虚血性心疾患治療薬等)) ②動物用医薬品(インターフェロン等) ③試薬 ④工業用酵素(衣料用、洗剤用) ⑤ワタ、タバコ、色変りカーネーション等、生分解性プラスチックのナタネ・シロイヌナズナ等からの生産 |
「最近気になる用語」
学会誌「冷凍」への掲載巻号一覧表