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CO排出権取引
                             

(以下は1998年10月「冷凍」に掲載された記事です。)
  昨年12月に開かれた気候変動枠組み条約第3回締約国会合(地球温暖化防止京都議定書:COP3)で、 先進国間では温室効果ガスの排出量を取り引きできる仕組みも導入することが決まった。排出権取り引きの ルールは、今年11月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる次期温暖化防止会議で決定されることになっていて、 各国から様々な案が提出されるはずである。
  排出権取り引きの基本的な考え方は、排出量が少ない国が余った排出枠を売りに出し、排出量の多い国がその排出する 権利を買う、というものである。
 
[排出量が少ない国](余剰枠)売却 → [市場] → 購入[排出量が多い国]

 6月16日の日経新聞によると、日本では通産省と民間で組織する検討委員会で排出権取り引きの国際ルール案を まとめている。それによると、発展途上国などが排出権を販売する量に上限を設けない方針である。これを基に政府が 11月までに最終案をまとめるという。欧州は、発展途上国などが割り当て以上に排出権を「売りすぎる」懸念がある として、取引量に上限を設けるよう主張している。
 英国政府とロンドン国際石油取引所は、世界の企業や政府が二酸化炭素(CO)の排出権を自由に売買する常設取引 場づくりに動き出した(日経新聞1月26日)。企業の場合、COの排出抑制のための設備投資を実施し、配分を受け た排出権よりも実際の排出量が減る見込みの時はその浮いた排出権を売却し、一方、配分枠を超えそうな場合は排出権を購入できる わけである。
 市場取引ではないが、米国の電力会社(ナイアガラ・モホー発電:ニューヨーク州)とカナダのサンコア・エネルギー社 (カルガリー市)がCOの排出権の売買で合意した。ナイアガラ社は火力発電所の効率化などでCOの排出を90 年に比べ40%減らし、石油採掘で排出増が見込まれるサンコア社はその不足枠を買う。金額は10万トンのCO排出 権を約6万ドルで買う契約だそうである。
 いずれも排出権の取り引き価格も、通常の商品と同様に市場で相場が決まるようになるかもしれない。

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