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ゴムホースのガスの透過度
                                


  コンタクトフリーザー(接触式凍結装置)では、数段のフラットタンク(冷却板)の間に凍結する品物(主に冷凍パン 詰めされたもの)を並べておき、フラットタンクを油圧装置により降下させ、冷凍品を加圧し冷却を行う。加圧の 目的は凍結品の伝熱効率を上げ、より急速に凍結を行うことの他に、凍結品を定形に成形することを目的とする場合が ある。コンタクトフリーザーでは、凍結の前後に凍結品の出し入れと加圧のため、フラットタンクは油圧装置により上下 移動させるから、フラットタンクに接続される。冷媒往復管は可動式でなければならない。
 初期のコンタクトフリーザーは、アンモニア冷媒により塩化カルシウムブラインを冷却した間接冷却式のもので、 フラットタンクは亜鉛鉄板で造られ、その接続ブライン管はゴムホースを使用し、低温でも可撓性があり、自由にフラット タンクが上下できるものであった。しかし1960年頃より直膨式のものの採用が始まり、フラットタンクもアルミ合金 押出成形板を加工し組立てたものに順次切り替ってきて、低温での強度やフラットタンクからの冷媒の漏洩に対する 信頼性が向上し、現在に至っている。一方、このフラットタンクに接続する冷媒の往復管には、低温での強度と共に 、低温化でねじれを伴う上下運動に対し、ホースの亀裂や冷媒の漏れが起こらないものが要求される。この直膨式の コンタクトフリーザーの配管の可動部分には、アンモニアの場合はブチルゴムホースが使用され、ホースそのものには 問題なく現在も使用されている。
 フロン系冷媒によるコンタクトフリーザーは、R22による直膨式と一時期R22/R11ブラインによる間接式のものも あった。このフロン系冷媒によるフラットタンク接続配管には、低温特性、耐蝕性等から考えて、主にステンレス製の スパイラルフレキ管を採用していたが、しかし、凍結室のスペース等の関係からフレキホースに対する自由な配管 条件が取れず、ホースの剛性や偏心を伴う上下移動などのため無理がかかりホースが亀裂する場合が考えられ、他に 代わるものを模索していた。ステンレスフレキホース以外に、ゴム、合成ゴム、ナイロン、テフロン等の材料を組合せて フレキシブルホースとして使用されたが、各々一長一短があり、この中からアンモニアホースで使用しているブチルゴムによる ホースを採用するものが出てきた。このブチルゴムホースはR22直膨式のものに使用されているが、ゴムホースはR22ガスを 透過することがわかっていた(R22ガスがホース内部からゴム層を通過して外部に漏れ出すことを透過という)。 果たしてR22ガスがどの程度ゴム層を透過するものか、新品及び2年間使用したホースについて透過量を測定した 新品ホースの場合の実測値について、参考までにいかに示す。
 
1)ブチルゴムホース  40mmO.D×25.4mmI.D×300mmL
2)R22ガスをホース内に封入し、周囲温度固定し放置して、漏れ量を計る
3)R22ガス透過量の測定値(放置時間は72時間)
  
      
周囲温度特殊ゴムホースブチルゴムホース
+40℃7.933gr/72H7.738gr/72H
-40℃0.283gr/72H0.098gr/72H

この実験例から、ブチルゴムホースは高温の状態では、ガスの透過量は大なるものの低温化で少ないことから、 低温化で使用するコンタクトフリーザー用のゴムホースと使用可能ものとして使用されている。コンタクトフリーザーを 長期運転停止し内部温度が上昇するとしても、著しく高温になることはないことから、実動の設備でも投下によるR22 ガスにより付近の雰囲気が危険となることは余り考えられない。
 フロン系(R22)の配管にゴムホースを使用する場合、ゴムの性状等に十分注意し選択のこと
1)ガスの透過量が少ないものであること
2)運転温度が高温の所に使用しない
3)ホースが屈曲に対し折れないこと
4)ホースは定期的に交換すること(劣化による強度低下、油による膨潤のおそれがある)
5)運転休止中に周囲温度が高温にならないことを確認する
6)設置場所は換気が十分あること
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