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圧縮比
                             


  圧縮比(または圧力比)は、流体機械の吐出圧力/吸い込み圧力(絶対圧力)で表わされる。蒸気圧縮式冷凍空調サイクルで 圧縮比と言う場合、熱交換器の圧力損失を無視して、凝縮圧力/蒸発圧力(絶対圧力)で表わされる場合が一般的のようである。
 圧縮機としては、容積式と遠心式があり、遠心式は低流量では圧縮比が小さいため、おおよそ350kWから3500kWの 大容量でもちいられている(容積形は、おおよそ0.1kW~860kW).1)
 凝縮圧力、蒸発圧力はそれぞれ凝縮温度、蒸発温度で決まるため、凝縮器、蒸発器の雰囲気温度によって変化する。
家庭用ルームエアコンディショナでは室内温度と外気温度が年間を通じて変化すること、夏は冷房、冬は暖房に利用する ことから、年間を通じて圧縮機の圧縮比は大きく変動することになる。また、インバータエアコンディショナ(最近は冷凍機器 にも使われ始めている)の場合は、回転数変化によっても、圧縮比は変動するため、圧縮比が変化しても効率の低下が 少ない圧縮機の開発が行われている。
 圧縮比の具体的な数値2)を以下に示す。空調機では、凝縮温度/蒸発温度=55/7℃条件における圧縮比は、 3.50(冷媒R22)、3.46(冷媒R410A)、3.98(冷媒R134a)、3.83(冷媒R407C:2相域で温度勾配のある冷媒のため、飽和 蒸気点で算出)となる。冷凍機では、凝縮温度/蒸発温度=55/-23℃条件における圧縮比は、10.18(冷媒R12)、12.81(冷媒R134a)、 9.52(冷媒R404A:2相域で温度勾配のある冷媒のため、飽和蒸気点で算出)となる。
 
1)機械工学便覧 B8編 熱交換器・空気調和・冷凍,pp59-61,日本機械学会編.
2)米国NIST,冷媒物性計算プログラム(REFPROP 6.01)による計算値.

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