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環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)(3)
                             


  一日摂取許容量(Acceptable Daily Intake:ADI)
ヒトに対する化学物質の危害の算定には、ADIについての認識が最も重要である。
ADIとは、マウスなどにその一生涯にわたって化学物質を投与し、何ら毒性のみられなかった最大投与量 (最大無作用量)を求め、その値に動物とヒトとの化学物質に対する感受性の違いで1/100~1/5000の安全係数を 乗じた値をヒトの最大無作用量と考え、この量を成人体重1kgにつき1日当たりの化学物質量(mg/kg体重/日)の 許容値としている。例を挙げると、
 PCB-0.005(5),γBHC(リンデン)―0.008(8),ヘプタクロールエポキシド―0.005(0.5),マラチオン― 0.002(20),フェニトロチオン―0.005(5),ダイアジノン―0.002(2)(ADImg/kg体重/日)(( )内はμg) ,FAO/WHO CODEX勧告値(1990),PCBは厚生省暫定許容量(1972).
 このようにすべての食品添加物や残留農薬について、ADI算定値から実際の使用基準が設定されている。
 これらに対し、2・3・7・8―ダイオキシンのADIは極めて小さい値(更に100万分の1)となっており、 その毒性の強さを表わしている。国別では、カナダ―10,米国―0.01,オランダ―1,スウェーデン―5, デンマーク―5,スイス―10,英国―10,日本―10(pg-kg体重/日)とされている。
 これらは米国科学アカデミーによる長期の動物毒性実験から、2・3・7・8―ダイオキシンの最大無作用量は 1ng/kg体重/日とされ(ヨーロッパの追認も得)、これにヒトへの安全係数として1/100~1/1000を乗じて、ADIを 1~10(pg/kg体重/日)とされている。上記の値のうち、米国が極めて厳しいのはガン発症の危険性をみたことと、 オランダの数値は最近改定されたものである。しかし国際的なADIも10pgから1pgへと検討されて来ていることから、 今後消費者の日常食からの汚染物取込み量調査(dietary Intake Studies)方法として3つの方法が報告されているので 紹介する。
①食品モニタリングデータと摂取量から算出する方法(Selective study of Individual Foods)
②陰膳法(Duplicate Portion Study):特定の職業、年齢層、地域等を対象に通常100件以上7日間以上の 調査を必要とし、国など広域の実態を反映しており、この方法はWHOのHEALs(Human Exposure Assessment Locations) 計画に採用されている。
③地方の日常食習慣(統計地値)に基づいて市場から購入した生鮮食品を簡易調理したものを、1日当たり 食品別に分析算出する方法(Total dietまたはMarket basket,Study):これはUNEP(国際環境計画)のGEMS (地球環境調査システム)の一環としてFAO/WHO合同食糧汚染調査に採用されている。
 
資料:1)長山淳哉「しのびよるダイオキシン汚染」(1994.5)
   2)日本大学生物資源科学部「日常食経由食品汚染物の一日摂取量」Foods Food ingredients.J.jpn No.177(1988)

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