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冷凍機油
                             


  冷凍機油とは、冷凍空調用圧縮機の潤滑油のことで、冷媒と直接接触するために独特な性能を有している点が 特徴であり、JISK2211等で規格化もされている。
 しかし、近年はこの冷媒が、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境問題の観点から見直されつつあり、 それに伴い冷凍機油も見直しがされている状況である。
 例えば、HFC冷媒対応冷凍機油の場合、HFC冷媒はCFC冷媒やHCFC冷媒とは異なり構造的に 電気的に極性を有するため、従来の鉱油とは相溶しない。そのため、冷凍機油の分子にエステル結合(-COO-) 等の極性を有する結合を導入し合成したHFC冷媒と相溶する冷凍機油が開発されたりしている。
 具体的には、エステル結合を有するエステル油、カーボネート油、エーテル結合(-O-)を有する ポリアルキレングリコール油(略称PAG)、ポリビニールエーテル油(略称PVE)等が該当し、HFC134a 対応のカーエアコンにはPAG、冷蔵庫にはポリオールエステル油(ヒンダードアルコール利用のエステル油、略称POE) が既に導入されており、R407CやR410A対応空調機にはPOE,PVEが適応されるようである。
 相溶性以外の特徴として、いずれの冷凍機油も前述のごとく極性を有するため、極性物質の水と親和性が あり吸湿性が高く、鉱油のように「水と油の関係」にはならない。同様に潤滑性、安定性、電気絶縁性も鉱油より 劣るようである。 特にPAGは電気絶縁性がその他の冷凍機油より著しく劣るため、電動機を内臓する圧縮機には用いられていない。 そのため、各冷凍空調機メーカーは、摺動材、摺動機構等も変更した圧縮機を搭載した上で、乾燥剤を取り付けてたり、 絞りをLEV化したりして導入をしているようである。
 一方、このような背景から、HFC冷媒と相溶しない鉱油と同等の特徴を有する合成油アルキルベンゼンを 用いたHFC134a対応冷蔵庫、R410A対応空調機も実用化されている。

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