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サステイナビリティ(Sustainability)
                             


 最近,サステイナビリティ(Sustainability)という言葉を目にすることが多くないだろうか.たとえば,ロハス(Lifestyle of health and sustainability)という言葉の中にもある.サステイナビリティという意味は,辞書で引くと持続可能という ような意味で記されている.筆者は水産の出身であり,学生の頃,水産資源学とか,水産経済学の講義で水産資源活用 語としてMSY(Maximum sustainable yield:最大持続生産量)とかMSC(Maximum sustainable catch:最大持続漁獲量)と いう考え方を学んだことがあったので,この言葉を目にしたとき,漠然としたイメージでは理解することはできた.つ まり,ある魚の資源があった場合,その資源を維持するという前提の中で,どれくらいの量まで魚を獲ってもよいのか ということである.魚は毎年増え,自然死や増えた魚は食物連鎖のなかで餌となって減るが,人為的に適正な量の間引 きをしても元の資源には影響がないという考え方である.
 今,この言葉は水産資源のみならず環境問題を考える,論じる場面でよく見かける.サステイナビリティは,1980年 代に欧米で提唱されはじめた環境に関する新しいコンセプトで,1987年の国連報告書の中に示された定義が専ら用いら れているといわれている.
 “Sustainable development is development that which meets the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs.’”(The U.N. Brundtland Commission 1987)「将来世代が彼らのニーズを満たすための 能力を損なうことなく,現在世代のニーズを満たすこと」
 環境問題に取り組む上では,このサステイナビリティを実現することを究極の目的としているといっても過言ではな いといわれている.
 一方,最近,漁業や水産のビジネスの中では,この考え方から魚種と海区を定めた,MSC(Marine Stewardship Council: イギリスに本部のある「海洋管理協議会」)漁業認証制度というのがある.MSC の漁業認証は持続可能で適切に管理さ れ,環境に配慮した漁業を認証する制度である.漁業を第三者の認証機関が認証し,その水産物にはMSCの認証マーク が与えられ,水産資源を将来にわたり持続可能に利用する管理の証の上で販売できるというものである.
 サステイナビリティを実現することは難しい問題だが,再生産が可能な生物資源での取組みを通じて,少しずつ環境 問題への取組みが前進することを願っている.

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