フロン回収破壊法
フロン回収破壊法
  環境問題対策として,オゾン層保護を目的に「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護 法)」が制定されている.この法律でオゾン層破壊物質の生産量および消費量の削減が規定されており,この規制を踏 まえオゾン層の破壊や地球温暖化を招くフロンを大気中にみだりに放出することを禁止するとともに,機器の廃棄時に おける適正な回収および破壊処理の実施を義務付けた法律として平成13 年6 月に成立し公布された「特定製品に係るフ ロン類の回収及び破壊の実施の確保に関する法律」を「フロン回収破壊法」と称している.
    本法律は自動車のカーエアコンと業務用冷凍空調機に冷媒として使用される(CFC)(HCFC)(HFC)を対象として おり,ユーザー,フロン類回収業者,破壊業者を定め,それぞれの役割分担により適切にフロン類の回収・破壊処理を進めるもので, 全体のシステムを図1に示す.

    特に日常管理で注意すべき項目として,以下のことが重要となる.
    1)フロン類充填機器に,みだりに大気放出しないことと冷媒充填量を明記 すること. 同時に,保守管理記録として冷媒充 填量の記録を残しておくこと.
    2)機器を廃棄する場合には,専門の登録または許可を得ている業者に依頼 すること.
    また,フロン冷媒の処分には他の産業 廃棄物と同様に費用負担が発生する.費 用は,それぞれの状況により異なるが, 参考例を以下に示す.
    カーエアコンの場合  普通車1 台あたり 2,580円
    業務用冷凍空調機器の場合  破壊処理費 2,000 円/kg (別途回収作業費,運搬費などが かかる)
    フロン類の破壊に関しては,特別な施 設が必要であり,登録された破壊業者か ら化学プラントを持つメーカーに破壊を 依頼している.

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